句集

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61句目~63句目

蛇をマフラーにして電波に乗る 目高は今図形を習っている 風が吹く涼し涼しあー涼し 目次へ   前へ
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51句目~60句目

光を塗ったくったのか菜の花 花咲かすし人も殴らぬ辛夷こぶし 「顔上げな」って先行く風薫る 通りすがる息と鳴らない草笛 寝ぼけた部屋に穴子の香り 髪がなびく君が乗る電車が往く 悩みなど万緑に喰われてしまえ ぬかるみだったのに今じゃ立派な植田 ...
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41句目~50句目

結局は神には頼めぬ入学試験 針供養色くすめども堂々と 「呑まれぬぞ」と張り付く海苔のしぶとさよ 髪切りに億劫だがバスに乗って 喚くな蛙そんなに夜が楽しいか 蓬は分からぬが風は美しい 舞えよ春塵私は往くぞ 顔すら忘れるほど父と別居 割れても綺...
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31句目~40句目

落葉鳴らせど気など紛れず凍える 虫殺し猫撫でる手で飯を食う はらわたにも染み渡るおでんつゆ 薬喰なればこれらも平らげて 煤けたにおい汚れた古ストーブ 列ならんで走る靴音の騒がしさ 「ガラスみたい」と君が氷を割っている 先に頭でたのしむ寒造 ...
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21句目~30句目

刀と書くも箸にも勝てぬ秋刀魚 間引菜や御魂の底の味がする 雨を呑み名も潤うたか露草よ 茸よ雨笠被り何を想う 星流れども既に果てに溺れ ようやく腹割ってくれるか椿の実 葉の舞いに踊らされる秋晴れ 這いずれど声は美し虫どもよ 憶えなき飴持つ我よ...
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11句目~20句目

五月闇に手伸ばし我黒ずんで またサングラスで貌かお隠す街の中 涼む雲眺む夏休みの縁側 黄昏に葉も湯浴みする日向水 荒ぶる香水に波立つ我が眉間 噴水に風待つ麦わら靴に飛沫 朝顔を咲かせた君が跳ねていく 鶴の鳴くが如く弾ける鳳仙花 よく冷えた新...
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1句目~10句目

乗ってけとたんぽぽを撫で吹き荒ぶ 潮の香かに砂と佇む磯遊 蝌蚪が鳴る水面も楽しげに跳ねて 背からふと風の上を泳ぐ蝶よ こどもの日子の抜けた部屋風車 筍の無理に上だけ見させられ 若葉撫で露撫で風撫で涙拭う ただ夏の風が吹いて君はいない 雨音も...