2024-06

未分類

句集の目次

1句目~10句目11句目~20句目21句目~30句目31句目~40句目41句目~50句目51句目~60句目61句目~70句目71句目~80句目81句目~
句集

51句目~60句目

光を塗ったくったのか菜の花花咲かすし人も殴らぬ辛夷こぶし「顔上げな」って先行く風薫る通りすがる息と鳴らない草笛寝ぼけた部屋に穴子の香り髪がなびく君が乗る電車が往く悩みなど万緑に喰われてしまえぬかるみだったのに今じゃ立派な植田一振りの塩で鮎が...
句集

41句目~50句目

結局は神には頼めぬ入学試験針供養色くすめども堂々と「呑まれぬぞ」と張り付く海苔のしぶとさよ髪切りに億劫だがバスに乗って喚くな蛙そんなに夜が楽しいか蓬は分からぬが風は美しい舞えよ春塵私は往くぞ顔すら忘れるほど父と別居割れても綺麗で居られる石鹸...
句集

31句目~40句目

落葉鳴らせど気など紛れず凍える虫殺し猫撫でる手で飯を食うはらわたにも染み渡るおでんつゆ薬喰なればこれらも平らげて煤けたにおい汚れた古ストーブ列ならんで走る靴音の騒がしさ「ガラスみたい」と君が氷を割っている先に頭でたのしむ寒造「釘も打てる」と...
句集

21句目~30句目

刀と書くも箸にも勝てぬ秋刀魚間引菜や御魂の底の味がする雨を呑み名も潤うたか露草よ茸よ雨笠被り何を想う星流れども既に果てに溺れようやく腹割ってくれるか椿の実葉の舞いに踊らされる秋晴れ這いずれど声は美し虫どもよ憶えなき飴持つ我よ七五三冬構されど...
句集

11句目~20句目

五月闇に手伸ばし我黒ずんでまたサングラスで貌かお隠す街の中涼む雲眺む夏休みの縁側黄昏に葉も湯浴みする日向水荒ぶる香水に波立つ我が眉間噴水に風待つ麦わら靴に飛沫朝顔を咲かせた君が跳ねていく鶴の鳴くが如く弾ける鳳仙花よく冷えた新豆腐つるり光り立...
句集

1句目~10句目

乗ってけとたんぽぽを撫で吹き荒ぶ潮の香かに砂と佇む磯遊蝌蚪が鳴る水面も楽しげに跳ねて背からふと風の上を泳ぐ蝶よこどもの日子の抜けた部屋風車筍の無理に上だけ見させられ若葉撫で露撫で風撫で涙拭うただ夏の風が吹いて君はいない雨音も渦になじませ蝸牛...